「アムウェイは悪徳マルチだけど、うちは違うよ!」と平然と言うマルチの人がいますが、アムウェイに限らずどこのマルチ商法(ネットワークビジネス)も違法行為がとても目立ちます。
では、どんな行為が違法なのかご存知でしょうか?
この記事では、マルチ商法でどのような「違法行為」が行われているかについてくわしく解説します。
違法行為を知ることで勧誘が断りやすくなったり、身近な人を辞めさせるときに役に立ちますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
マルチ商法(ネットワークビジネス)とは
マルチ商法は 、会員が新規会員を誘い、その新規会員が更に別の会員を勧誘する連鎖により、階層組織を形成・拡大する販売形態である。
引用元:wikipedia
友達や知り合いを自分の下(ダウン)につけて、組織を大きくしていくシステムです。
「自分が10人紹介して、その10人の人たちが更に10人づつ紹介したら、すぐに100人になるよ!!」と簡単に人数が増えることをアピールします。
友達がいなくてもできそうなイメージになりますね。
なので、副業を探している人やお金を稼ぎたいと思っている人が詳しく話を聞いてしまうと、「簡単にお金が稼げるかもしれない」と騙されてしまいます。
では、マルチ商法をやっている人はいい事を言いますが、社会的にはどんな位置づけなのか見てみます。
消費者庁
消費者庁では、「マルチ商法にご用心」と注意喚起されています。
そして、ホームページ内のマルチ商法などに適応される「特定商取引法ガイド」に、「連鎖販売取引に対する規制」が載っていますので、マルチ信者の勧誘活動の違法性も見えてきます。
特定商取引法とは
特定商取引法は、事業による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。
引用元:消費者庁「特定商取引法ガイド」
特定商取引法で規制されている販売形態は以下のものがあります。
・訪問販売
・通信販売
・電話勧誘販売
・連鎖販売取引
・特定継続的役務提供
・業務提供誘引販売取引
・訪問購入引用元:消費者庁「特定商取引法ガイド」
マルチ商法・ネットワークビジネス・MLM(マルチレベルマーケティング)と、いろんな呼び方をしていますが、これらはすべて同じ連鎖販売取引です。
ネットショップや情報商材の販売も、特商法で規制されています。
合法だから安全なビジネスなのか
「マルチ商法は合法だから安全なビジネスだよ!」と聞いたことがありませんか?
確かに、法律上は問題がありません。
ですが、特商法で厳しく規制されていて、その法律を守ることが前提です。
違う言い方をすれば、厳しい法律で取り締まらなければいけないほど危うい商法とも言えます。
100%法律を守って活動しているマルチの人は、いったいどのくらいいるのでしょうか?
違法行為の具体例
コンプライアンスを徹底している会社が増えましたが、販売員が遵守しているとは限りません。
どんな行為が違法なのか、具体例を合わせて解説していきます。
勧誘目的を告げない
「すごい人に会わせてあげたい」「起業セミナーに行ってみないか?」「ママ友サークルへ行かない?」など、マルチ商法の勧誘をするということを伏せて勧誘する人がいます。
この勧誘方法は以下の法律違反になります!
特定商取引法第33条の2項
(1) 氏名などの明示
統括者(連鎖販売業を実質的に掌握しているもの)、勧誘者(統括者が勧誘を行わせる者)または一般連鎖販売業者(統括者または勧誘者以外の連鎖販売業を行う者)は、連鎖販売を行うときには、勧誘に先立って、消費者に対して、次のような事項を告げなければなりません。
1.統括者、勧誘者または一般連鎖販売業者の氏名(名称)(勧誘者、一般連鎖販売業者にあっては統括者の氏名(名称)を含む)
2.特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨
3・その勧誘にかかわる商品または役務の種類
引用元:消費者庁「特定商取引法ガイド」
ちょっと難しいですよね・・・。
簡単に言うと、
・私は〇〇マルチ会社の販売員で名前は〇〇です。
・扱っている(販売している)商品は洗剤や化粧品などの日用品です。
・あなたに〇〇マルチ商法の勧誘をしたいので、お茶しませんか?
(※最近は「モノなしマルチ」と言われる投資や副業関連のマルチ商法があるのでご注意を!)
このように勧誘して、
勧誘された人が「マルチ商法の勧誘で話を聞く」 と理解できている状態で話を聞くのなら違法ではないのですが、ほとんどの人が「マルチ商法の話をする」ことを言わないと思います。
「マルチ商法じゃないよ。ネットワークビジネスだよ」とか、
「アムウェイだけどちゃんと聞いたら安全だよ」とか、
チラッとにおわせる程度に言うことで法律を守っている気になっていますが、これも目的をハッキリ告げていないので違法になります。
誇大表現(大げさ)に言う
「誰でも簡単に出来る」
「やれば必ず儲かる」
「絶対に稼げる」
など、必ず儲かる、絶対に稼げると言い切れるビジネスはありません。
実際に稼げているのはほんの一握りの人なのに、あたかも参加者全員が儲かっているように大げさに話を盛って勧誘する人が多いですよね。
これも違法です!
特定商取引法第36条
(4) 誇大広告などの禁止
特定商取引法は、誇大広告や著しく事実と相違する内容の広告による消費者トラブルを未然に防止するため、表示事項などについて、「著しく事実に相違する表示」や「実際のものより著しく優良であり、もしくは有利であると人を誤認させるような表示」を禁止しています。
引用元:消費者庁「特定商取引法ガイド」
断られてもしつこく勧誘する
しつこく勧誘されて困っている人は必見です!!
意外と知られていないのが、1度断られたら何度も勧誘してはいけないことです。
これも違法です!!
特定商取引法第3条の2
(2)再勧誘の禁止等
事業者は、訪問販売を行うときには、勧誘に先立って消費者に勧誘を受ける意思があることを確認するように、努めなければなりません。
消費者が契約締結の意志がないことを示したときには、その訪問時においてそのまま勧誘を継続すること、その後改めて勧誘することが禁止されています。
引用元:消費者庁「特定商取引法ガイド」
※この法律は訪問販売に関する法律なので、知らない、関係ないと思っているかもしれませんが、訪問販売に関する法律も適用されます。
連鎖販売取引(マルチ商法)で勧誘するというのは「成功しよう!」とビジネスの話をするだけではなく商品を売る行為も含まれます。
たとえ、
「自分は商品の良さを伝えていただけで、相手から欲しいと言った」
としても、商品を販売したことには変わりありません。
そして、訪問販売の定義では、
【通常の店舗以外の場所で行われる商品等の販売又は役務の提供】
とありますので、この定義にマルチ商法(連鎖販売取引)も該当するため、訪問販売法が適用されます。
なので、断ってもしつこい人は違法行為です。
目的を告げず自宅など密室で勧誘する
「〇〇マルチ商法の集まりで勧誘しますよ」
と言わず自宅に友達を呼んだり、アップの家で勧誘するなど、公共の場所以外で勧誘することは違法です!!
誰でも出入りできる場所で勧誘しなければいけません。
なので、ファミレスやカフェで見かけることが多いかもしれませんね。
ただし、公共の場でも目的を告げていなければ違法です。
特定商取引法第34条
(3)禁止行為
勧誘目的を告げない誘引方法(いわゆるキャッチセールスと同様の方法)により誘引した消費者に対して、公衆の出入りする場所以外の場所で、売買契約の締結について勧誘を行うこと
引用元:消費者庁「特定商取引法ガイド」
これもよくある違法行為ですよね。
ランチしようとか、すごい人の家に一緒に行こうとかマンションに連れて行かれる人も多いですが違法行為ですよ!!
その他の場所について疑問があれば、消費生活センターに相談してください。
その他の違法行為
・書面の交付をしない
・クーリングオフをさせてくれない(説明をしない) ・退会させてくれない ・脅しや嫌がらせなど細かい法律がたくさんありますが、少しでも知っておくことでマルチ商法の勧誘から逃れることが出来ますので覚えておいて下さい。
最後に
よくある違法行為を読んで、思いたることがたくさんあったのではないでしょうか?
特定商取引法を知らずにビジネス活動をしている人も少なくありません。
法律をきちんと守って活動しているのなら、いつかマルチ商法は社会的認知をされるかもしれませんが、こんなにも違法行為が日常ではいつまでたっても「マルチ商法は危険」という汚名は消すことができないですね。
アムウェイだけではなく、他のマルチ商法でも被害はたくさん報告されています。
困ったときは1人で悩まず、消費者センターに必ず問い合わせてくださいね!