ほとんどのネットワークビジネス(マルチ商法)では、商品を購入するだけの愛用者と報酬がもらえるビジネス会員にわかれています。
そのため『ビジネス活動をしない愛用者であれば問題ない』と思っている人がいるかもしれません。
しかし、たとえ商品を購入するだけの愛用者であっても、マルチ商法に関わるのはとても危険です。
理由は以下の3つです。
・勧誘に加担し、間接的に加害者になってしまう
・売り上げに貢献してしまう
・ニセ科学に翻弄されてしまう
お店で購入する感覚でマルチの商品を購入しているかもしれませんが、実は愛用者にも人生を狂わすほどの危険が潜んでいるのです。
今回は10年以上マルチ商法をやっていた経験をもとに、愛用者の3つのリスクと、『愛用者』と呼ばれる裏話もあわせてお伝えします。
勧誘しないからマルチ被害には関係ないと思わず、愛用者のリスクをしっかりと理解し、1日でも早くマルチ商法から抜け出すことを切に願います。
愛用者に潜む3つの危険
冒頭にもお伝えしましたが、愛用者に潜んでいる危険は3つあります。
・勧誘に加担し、間接的に加害者になってしまう
・売り上げに貢献してしまう
・ニセ科学に翻弄されてしまう
ひとつずつ解説していきますね。
マルチ商法の勧誘に加担し、間接的に加害者になってしまう
ランチ会などの集まりで「商品を使った感想を話して!」と言われたことがありませんか?
実は愛用者が『体験談を話す』というのは、マルチ会員の勧誘の手助けをしている行為になります。
▶例:ランチ会にて
・初客(未登録の人)に愛用者の体験談を聞かせる
↓
・愛用者は良かれと思い、商品を使った感想を話す
↓
・初客は、マルチ会員の売りトークではないため安心する
(マルチ会員は横にピッタリとくっつき、ウンウン頷きながら「すごい!」を連発する)
↓
・愛用者の話に警戒心が薄れ、初客は会員登録してしまう
※新規登録に限らず、商品購入数(アイテム)を増やすときなども同様です。
「体験談を話してあげて~」とお願いすると、なぜかみなさん良いことしか言いません…。しかも、少しオーバー気味。「えっ?そんなに気に入ってたっけ?」とこちらが驚くこともしばしばありました。こういった特徴を悪用して愛用者に話してもらうのです。
マルチ会員が商品をすすめると『売りトーク』になるため、マルチ商法を警戒している人(特に初客)にはなかなか響きません。
一方で愛用者は利害関係がないため、警戒心を緩める役割になってくれます。
そのため、マルチ会員が登録(商品購入)をすすめるのではなく、愛用者の体験談を利用して登録するように仕向けます。
つまり、愛用者は直接勧誘していませんが、結果的に新規会員を増やすお手伝いをしてしまったということ。
間接的ではありますが、マルチ商法の被害者を増やした加害者となってしまうのです。
マルチ企業の売上げに貢献している
これは説明するまでもないですが、商品を購入すれば当然マルチ企業の売上になります。
マルチ企業の売上に貢献すると何がいけないのか…
それは『良い商品だから売れている』と勘違いさせる恐れがあり、新たな被害者が増えてしまうからです。
売上げが下がり誰も購入しなくなれば、マルチ企業の存続は難しくなると思いませんか?
マルチ企業が存在する限り、マルチ商法被害はなくなりません。
勧誘しない愛用者であっても、商品を購入して売上げに貢献するのは避けたいものです。
ニセ科学に翻弄されてしまう
マルチ商法とニセ科学はセットと言っても過言ではありません。
・市販の商品(成分)
・農薬
・薬
これらが原因で肌トラブルや病気になる…というのが、マルチ商法では当たり前に語られています。
ニセ科学はマルチの商品を売るための『デマ』なのですが、セミナーやランチ会などでニセ科学の情報や商品を使った体験を繰り返し聞いていると真実だと錯覚していきます。
そして、マルチ商法で聞くニセ科学だけでは飽き足らず、陰謀論、スピリチュアルなど、すべての認知が歪んでいき人生が狂い始めてしまいます。
大げさでもなんでもなく、たとえ愛用者だったとしても思考を書き換えられ、人生を狂わす危険さえあるのです。
ウラ話①:″愛用者″というのは本当か?
愛用者とビジネス会員の大きな違いは、
・愛用者=報酬がもらえない
・ビジネス会員=報酬がもらえる
しかし、商品をすすめておきながら「ビジネスはやってないよ!」という、愛用者を装ったビジネス会員が存在します。
積極的にセミナーやイベントに参加せず、勧誘も血眼になってやっていないため「ビジネスをやっていない」と言うのです。(マルチ商法ではこういった人たちをビジネスパートナーとして扱いません)
この商品すごくいい!あなたにオススメだよ!
仕事(ビジネス)をやってるの?
ビジネスはやってないよ!気に入って使ってるだけ
そうなのね。じゃあ使ってみようかな♪
商品をすすめた相手が購入するとなった場合「ビジネスをやっている人に会わせるね」と上位会員につなぎ、会員登録後のアフターフォローも上位会員がやるため、表向きは「愛用者」にしか見えません。
ですが、会員の区分は「ビジネス会員」なので報酬が発生しています。
こういった愛用者を装ったビジネス会員は、マルチ界にゴロゴロ存在しています。
ウラ話②:愛用者の報酬はお金だけではない⁈
会員の区分は愛用者になっているため報酬はもらえませんが、
・愛用者が欲しいマルチ商品
・ランチ代
などをマルチ会員からもらうことを引き換えに、愛用者が勧誘をしている場合があります。
「この商品すごくいいよ!」と紹介しているだけで勧誘しているという認識がなく、報酬も発生しないため愛用者は罪の意識がありません。
マルチ会員は会員増加に躍起になっているため、ビジネス会員になってくれない愛用者にはこういった方法で紹介を出してもらうことがあります。
10年以上マルチ商法をやっている時に気づいたのは、セミナーやイベントに参加する回数が多い愛用者のほとんどが、本心では「あわよくば、マルチ商法でお金を稼ぎたい」と考えていることでした。(お金を稼ぎたいといっても何十万ではなく、商品が1~3個買える程度(実質タダになる)の金額です)
ただマルチ商法のイメージが悪いため、『ビジネスをやっていると思われたくない』という心理から愛用者だと主張します。
また愛用者でいれば、ビジネス会員のようにセミナー、イベント、勧誘、マルチの人間関係に縛られることがありませんしね。(愛用者はお客様扱いですから『行きたいときだけ行けばいい』が許されます)
『ビジネス会員のように縛られたり、友達に避けられるのはイヤだけど、使ってみたいと思っている人にだけ教えてお金をもらいたい』
このように思っているのが、セミナーやイベントの参加回数が多い愛用者の本心でした。
※報酬をもらうためにビジネス会員に移行しますが、あくまでも「愛用者」の立ち位置にいるため自らすすんで勧誘することはありません。(「いいもの見つけた♡」など商品のアピールはしますが…。)そして、ビジネス会員に移行していても「ビジネスはやっていない」という愛用者もいるのでご注意ください。
さいごに
商品を購入するだけの愛用者でも、
愛用者であっても危険な理由は
・勧誘に加担し、間接的に加害者になってしまう
・売り上げに貢献してしまう
・ニセ科学に翻弄されてしまう
こういった危険があるということをお伝えしました。
わざわざ社会問題になっているマルチ商法の商品を購入する必要はありません。
「物はいいんだけど…」という声もありますが、マルチの商品だけが特別良い物だという根拠がなく、「物はいい」と言っている人はたまたま体質に合っただけでしょう。
市販の商品は、手ごろな価格で使用感がいい物がたくさん売られていますので、ぜひ会員をやめて市販の商品を購入していただけたらと思います。
しかし市販の商品が体質に合わず、マルチの商品しか使えない…という方が少なからずいると思います。
そういった特別な体質で、どうしてもマルチ商品を使わざるを得ない方は、
・体験談を話さない
・セミナーやイベントに参加しない
・商品を人にすすめない
上記の3つを徹底し、ご自分の体質に合った他の商品(マルチ以外)を探しながら危険を回避してください。
マルチ商法はビジネス会員だけでなく、たとえ愛用者であっても関わらないことを強くおすすめいたします!