マルチ商法(ネットワークビジネス)ではランチ会やお料理会と称して人を集め、言葉巧みに集団で洗脳していきます。
BBQやパーティー、パン教室、メイクレッスン、無料体験のエステ、ヨガなど、いろいろとネーミングを変えて誘いますが目的は「勧誘すること」のみです。
人が集まる場所があればどんな会でもいいので、誘う相手の好みそうな「◯◯会」というネーミングをつけて新規会員の獲得に必死になっているのです。
一度は何かのイベントに誘われたことがあるのではないでしょうか。
この記事では、私が気づかないうちに洗脳されてしまった時の体験談と、イベント等の実態について赤裸々にお伝えします。
自分は絶対騙されない!と思っている人ほど気づいたら洗脳されてという事態になりますので、、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
ランチ会での出来事(体験談)
友人宅でマルチの話を聞いた後ランチ会に誘われたので、軽い気持ちで参加してしまいました。
※勧誘されたときの話は、こちらをご覧ください。⇓
『マルチ商法の洗脳にハマった末路』
ランチ会の会場は、話をしてくれた派手な女性(アップ)のマンションでした。
部屋に入ると知らない主婦の方たちが10~15人ほど集まっていて、なんだか想像していたランチ会とは違う異様な雰囲気でした。
友人はほとんどの人と面識がある様子で、「わー!久しぶりだね~!」「なんかきれいになったね~」と話していたのがとても印象的でした。
ランチ会がスタート
初めての人もいるからということで自己紹介が始まりました。
友人が、「〇〇市から来ました△△です!今日はお友達を連れてきました~!!」と自己紹介をすると、みんな一斉に「わあ!すごいね~~~~!!」と拍手の嵐。
私は異様な雰囲気に「なんだこれ???」と思いちょっと引いていました。
その後、他の人の自己紹介をよく聞いていると、
「この商品を使ったらキレイになった」
「この商品に感謝している」
「このマルチに出会えたことに感謝」
と、どの人もみんな本当に嬉しそうに話していたので「あれ?みんな会員になっている人たちなの?」と、ちょっと不思議な気分になったのを覚えています。
なんとなく私は「ダマされちゃいけない!」と思い、ふーん…というような興味がない態度でいましたが内心はとても気になっていました。
すると突然、派手な女性(アップ)が「夢子ちゃんの夢は何?」と聞いてきたんです。
『はあ?子育てしてて専業主婦で、夢なんかあるわけないじゃん!!』と内心イラッとしました。
「あ…、ありません。」とだけ答えたのですが、この時なんだか夢がない事に恥ずかしさというか虚しさを感じてしまったのです。
夢の話に衝撃を受ける
そうこうしているうちに、今度はみんなで夢の発表が始まりました。
「私は、〇〇さん(上位アップ)みたいに、高級外車に乗って、ブランド物を買いたいです!」
「私は、〇〇さんみたいに月収100万円稼いで、毎年家族で海外旅行に行きたいです!」
どれもこれも夢みたいな話ばかりです。
(月収100万円?)
(高級外車?)
(毎年、家族で海外旅行?)
(はぁ~~~???)
普通の主婦でいたら一生体験できないであろうことを、私と同じ主婦の人が「夢」として語っていることにとても衝撃を受けました。
今まで考えもしなかったことや、絶対にできないと諦めていることを、もうすぐ手に入るかのように語っている人たちの姿が魅力的に映ったのかもしれません。
あまりにも驚いて圧倒されながらみんなの夢を聞いていたのですが、「ところで、〇〇さん(上位アップ)って誰だ?」と、その場にいない人の名前が憧れの人として何度も出てくるのでだんだんと気になっていきました。
自己紹介や夢の発表がひと通り終わると、マルチの商品で作った食事がたくさん並んでいたので、みんなで輪になって食べはじめました。
マルチ商法の人たちと仲良くなる
今日会ったばかりの人達なのに、
「最初はねずみ講って思っちゃうよね?私もそうだったよ!」
「なんか不安なことある?」
など、みんなとても気さくに声をかけてくれました。
「マルチ商法をやるなんて言ってないのに、なにを言ってんだろうこの人達」と思いながらも、友達になろう!みたいな感覚で明るく話しかけてくるので悪い気がせず、
家庭の愚痴や不満をとても共感しながら聞いてくれたので帰るころにはすっかり打ち解けて「またね~!」と帰っていく自分がいました。
マルチ商法をやっている人は、ギラギラした「銭ゲバで非道な人」みたいな勝手な印象を持っていたので、正直なところ普通の主婦ばかりでびっくりでした。
なんだかんだ言いながら打ち解けてしまったのは、普段は家にいるだけなのでいろんな人と話せたことが楽しくて、マルチ商法の集団の中にいることをすっかり忘れママさんサークルに行ったような感覚になっていたんだと思います。
そして帰り際に、
「今度〇〇さん(上位アップ)のセミナーがあるから行ってみない?」
と誘われたときには、もうほとんどマルチ商法の集まりに警戒心がなくなっていました。
夢を語っていた人が「〇〇さん(上位アップ)」という名前を何度も言っていたので、聞き慣れたせいか違和感がなくなっていたのでしょう。
・私の話をとても興味深く聞いてくれたこと
・私の話にとても共感してくれたので気を良くしてしまったこと
このようなことから、セミナーを断る理由もなく即OKの返事をしてしまいました。
こうやってマルチ商法の戦略にまんまとハマり、どんどん洗脳の階段を自ら上っていってしまったのです。
なぜ、マルチの人は集まりに連れて行きたがるのか?
10人集まっている中で自分1人だけが違う意見だと、「あれ?私が間違ってるのかな?」と思ってしまうことがありませんか?
みんな同じという安心感と、自分だけ違うという不安感を巧みに操るのがマルチ商法の洗脳手口です。
マルチ商法の集団の中に入ってしまうと「マルチ商法を悪く思っている自分がおかしいのか?」という気にさえなってしまうのです。
イベントに参加した時に注目してもらいたいのは、集まっている人の中で初めての人が何人いるか?ということです。
10人中2~3人が初めての人だったとしたら、その他の7~8人はマルチ会員ということになります。
つまり、約8割がサクラということです。
イベントの裏側
マルチ商法のイベントを開催するときには、新規の人の割合を多くすることは絶対にありません!
イベントに10人参加している場合、
2人・・・サブリーダー格
2人・・・下のタイトル保持者
2人・・・始めたばかりの人
2~3人・・・新規の人
このような割合で、8~9割はマルチ商法の会員というのが実態です。
そして、イベントを開催する前には、
・新規の人を誰のとなりに座らせるか
・誰に何の話をしてもらうか
・どんな話題を提供するか
などを、とても入念に打ち合わせされています。
また、イベント参加者のマルチ商法の活動を始めたばかりの人や下のタイトル保持者はとても重要な役割になっています。
その理由は、リーダー格の話はインパクトはありますが新規の人にとって遠い存在なので現実味がなく「私にもできるかも」と思わせるには弱いからです。
それよりも、始めたばかりの人や下のタイトル保持者の話は、新規の人に近い存在なので「私にもできるかもしれない」と錯覚しやすいのです。
リーダー格の話ばかりだと「すごい話だけど私には無理」となってしまいがちなので、リーダー格の話は別の機会に聞かせて段階的に洗脳していきます。
そして8割をサクラにしてイベントを開催する最大の理由は、1人対1人ではマルチ商法に対するイメージをすり替えることができないため、集団心理を使って1人対数人で洗脳したいのです。
集団心理とは
集団のすべての構成員によって形成・維持される思考・感情・意志などの総称。
集団の中で個人が多数派に同調し、合理的な思考力や判断力が抑制されると、集団全体として極端な行動を引き起こすことがある。
出典元:コトバンク
ただ厄介なことにマルチ信者にとっては、洗脳ではなく仲間を作るという感覚でしかありません。
なのでもちろん、ダマしているとは微塵も思っていません。
ダマすどころか良い事をしていると思いこんでいる状態なので、完全に洗脳されてしまうとなかなか解けないのは、良い事をしているはずの自分を否定したくないからだと感じています。
さいごに
「洗脳」と聞くと、特別な場所で異様な雰囲気の中で行われるイメージがありますが、何気ない日常の中に「洗脳」が潜んでいるので気をつけなければいけません。
・ママ友ができて嬉しいと思ったらマルチ商法の集まりだった
・BBQに誘われて行ってみたらマルチ商法だった
・友人にエステの練習させてと言われて行ったらマルチ商法だった
ということも多々あります。
疑ってばかりだと疲れてしまいますが、マルチ商法の人や集まりは特徴がありますので「なんか変だな?」と思ったら、会の途中でも退席することをおすすめします!!
マルチ商法の人たちは洗脳の仕方をしっかりトレーニングしていますので、何度もイベントに足を運んでしまうと気づかないうちに洗脳されてしまいますので気をつけて下さいね。