収入と言えるほどお金が稼げていないのにマルチ商法(ネットワークビジネス)を辞めることができず、「今更やめれないから頑張るしかない」と自分に言い聞かせていませんか?
本当は辞めたいのに・・・と思いながらビジネス活動を続けている人は、想像以上にたくさんいます。
辞めたいならやめればいいんですが、簡単にやめられないのがマルチ商法の怖いところでもあります。
10年以上マルチ商法にどっぷりハマっていた私も、
・頑張りが足らないのかもしれない
・仲間を裏切れない
・ここまで頑張ってきたのにもったいない
と、ビジネス活動をやめたいと思っているのになかなか辞められず1年間苦しみました。
「マルチ商法はもうやめたい!」と思いネットやTwitterなどを見て洗脳が解けはじめているのに、いざやめようとしてもすぐに行動することができなかったんです。
やめたいと思ってから実際に辞めるまで時間がかかった理由は3つありました。
①コンコルド効果によるもの
②依存関係によるもの
③得体のしれない恐怖感
①②は洗脳されて思考をコントロールされている部分。
③はコントロールされていない本心の部分。
活動をやめてからしか気づけなかったことですが、この3つの理由がクリアになればマルチ商法に見切りをつけることができます。
この記事では、マルチ商法を辞めたいのにすぐに辞めることができなかった3つの理由を詳しくお伝えしたいと思います。
活動歴10年・元リーダーという立場になるほど洗脳されていた私でもやめられたので、ビジネス活動をやめたいと考えている方にぜひ読んでいただきたいと思います。
今までの努力が惜しくてやめられない(コンコルド効果)

マルチ商法で洗脳されていることがわかったのに、10年以上も活動してリーダーにまでなった今までの努力がムダになる・・・という気持ちがなかなか捨てられませんでした。
明らかにやめたいと思っているのにビジネス活動をやめれないなんて矛盾してますよね。
この矛盾はなんなのか、色々と調べた結果『コンコルド効果』によるものだと判明しました。
コンコルド効果は、「埋没費用効果(sunk costeffct)の別名であり、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態を指す。
引用元:wikipedia
かんたんに言うと「もったいない」と思うことですね。
日常生活でのコンコルド効果でわかりやすいのは、ギャンブルやソシャゲでしょうか。
「これだけお金をつぎ込んだんだから、そろそろ当たりがくるはず」と、負けるとわかっているのにギャンブルを続けてしまうとか、
「ここまでやったのに今やめるのはもったいない」と課金してまでゲームを続けてしまうとか。
誰でも思い当たることが1つくらいあるかもしれませんね。
私に当てはめると、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資とはまさにマルチ商法への投資のことです。
・金銭的投資→商品代・活動費・セミナー代など
・精神的投資→自己啓発セミナー・アップや会社に盲信・仲間
・時間的投資→24時間365日ビジネス活動
おカネも時間も思考も全てマルチ商法に捧げていましたから、コンコルド効果によって正常に判断できなくなっていたといえます。
辞めたいのにやめられなかった矛盾は、もったいない精神が働いて今まで投資したお金・時間・精神に執着していただけでした。
私は矛盾を抱えたまま思い切って辞めたのですが、
【もうちょっと頑張ったらうまくいくかもしれない・・・。】
【ここまで頑張ってきたんだから・・・】
【もっと成功に近づけるように、セミナーへ行ったり、アップの言うことを聞いて素直にやろう】
【今まで費やした時間とお金を無駄にしたくない】
と、辞めたいと思いながら活動している人は本当にたくさんいるのが現実ですが、コンコルド効果によってやめられないだけで本心ではないということを知ってください。
仲間との依存関係が断ち切れない

仲間やアップとの関係を断ち切るのは罪悪感があったため、すぐに決断することができませんでした。
罪悪感がとても厄介でしたが、私と仲間やアップとの関係がどうやってできたか、どうやって洗脳されたかを確認すれば罪悪感なんてもつ必要はありませんでした。
成功できる!!という洗脳もそうですが、「承認」という洗脳は心と思考をとても奪っています。
マルチ商法にハマっている人の得意技は、「褒めること」「認めること」「称賛すること」です。
褒められて嫌な気分になる人はあまりいませんよね?
どんなにマイナスなことを言っても認めてもらえたら、やっぱり嬉しくなってしまうものです。
「何をやってるんだ!」
「お前は間違っている!」
「そんなのダメだ!」
と、ずっと否定されるのと、
「すごいね!」
「頑張ってるね!」
「出来るよ!」
と、ずっと肯定されるのとではどちらが居心地がいいかは一目瞭然ですよね・・・。
マルチ商法にハマる人は自己肯定感が低く、「私を見て!」「私を認めて!」という人がとても多いので、アップや仲間に承認されることが依存関係を深いものにしています。
マルチ商法の人達は、どんな時も褒めることを忘れません!
「小さい子供がいるのによく頑張って来たね!」
「今日の洋服素敵だよ!」
「あなたなら成功できるよ!」
まだ何もしていなくても、セミナーに参加しただけでもみんなが褒めてくれるのでとても居心地がよくなっていきます。
そして、愚痴を言えば「そうだよねー。嫌だよねー。」と自分の気持ちを分かってくれます。
不安だと言えば「私もだったよ。わかるよ。」と寄り添ってくれるので嬉しくなっちゃうんですよね。
上を目指して活動していることが「認めてもらえる材料」となり、たとえお金が稼げていなくても頑張っていることを褒めてもらいたくなるのもありました。
こんな小さなやり取りが繰り返し行われるので「自分を理解してくれる心地よい居場所」となって、知らない間にどんどん依存していきました。
洗脳の戦略にまんまとハマりアップ(上位会員)の人たちを「自分の絶対の理解者」としてインプットしてしまうので、デタラメのことでも100%信じて支配されていく結果となっていたのです。
承認という名の洗脳は最強です。
アップは自分の実績のために褒めているだけで、依存させるための手段でしかありませんでした。
私のことを信頼しているとか、大切な友達なんてこれっぽっちも思っていません。
なぜなら、私のことを大切にしてくれていると思っていたアップや仲間は、私が活動をやめてから1度も連絡をしてきませんから。
(アップは「戻ってきても居場所はないから!」と憤慨していたそう。)
マルチ商法で築いた人間関係は、お金でしかつながっていなかったということ。
こんなもんですね。
得体のしれない恐怖感の正体

「今日こそ会社に辞めるって伝えよう!」と毎日思っていましたが、いざ連絡をしようとすると恐怖感に襲われてなかなか行動できませんでした。
何がそんなに怖いのか自分でもわからずどんなに考えても答えが見つからないままでしたが、活動をやめて気持ちが落ち着いたら自分のほんとうの気持ちが見えてくるようになりました。
私が抱えていた恐怖感の正体は、
・孤独になる恐怖
・自分が仲間・友達・家族にしてきたことへの後悔
・自分の選択が間違いだった(騙されていた)と認めたくない気持ち
自分の愚かさに向き合わなければいけない恐怖だったとわかりました。
アップのことを悪くいっていますが、私も傘下(自分の下の人達)から見たらアップです。
私も傘下の人達を、褒めたり励ましたりしてきました。
アップが私を褒めていたのは自分の実績のため・・・ということは、私も傘下を褒めていたのは自分の実績のためということになります。
アップがしてきたイヤなことは、全部私もしていたこと。
お金のため、自分の実績のためでしかなかったということです。
私を恨んでいる人もいるかもしれないですが、そんなつもりはなかったとどんなに言っても言い訳になりません。
ただ恐怖感の正体がわかったおかげで、自分がこれからどうしたいのか、どう生きていきたいのかを考えるきっかけになったのでよかったと思っています。
もう2度と同じ間違いをしたくないですから。
さいごに

コンコルド効果・依存関係・恐怖感は、マルチ商法を辞めたいという気持ちにブレーキを掛けてしまいますのでぜひクリアにしてください。
マルチ商法を辞めた人の多くは、また違うマルチ商法に変わるだけというのが実状です。
洗脳が解けないまま、自分と向き合うことができないまま今のマルチ会社をやめても同じことを繰り返すだけになってしまいます。
どこのマルチ会社に行っても、成功する人はほんの一握りだということを忘れてはいけません。
今、あなたがやっているマルチ商法を辞めたいと考えているなら勇気をもって辞める準備をしてください。
今更やめられないという気持は痛いほどわかりますが、このまま続けても誰も幸せになりません。
マルチ商法の沼から抜け出したら自分の人生が生きれるようになって、ほんとうの意味で「ありのままの自分」に戻れますよ!