「マルチ商法をやめたい・・・でも、辞めるのが怖い・・・。」
マルチ商法(ネットワークビジネス)に違和感を覚えながらもやめることへの恐怖から、なかなか辞める決心がつかない期間がありました。
「辞めたらどうなるんだろう・・・」と漠然とした不安を抱え、何に怯えているのかさえ分からなくなっているほど、自分で考える力がなくなっていました。
どうしたらいいのかわからず悩んでいた時に助けてくれたのが【Twitter】と【ネットの情報】でした。
そんなことで?と思われるかもしれませんが、10年以上マルチ商法にハマっていた私にはとても衝撃的で心を揺さぶられる出来事だったのです。
この記事では、Twitterやネットのおかげでマルチ商法を辞めようと決心できた私の体験談をお伝えします。
マルチ商法を辞めさせたい方、辞めたい方の参考になったらうれしいです。
twitterが洗脳を解く1番の手助けになった

恐る恐るtwitterをやり始めたので、初めは見るだけにしていました。(現在はアカウント削除しています)
何度かTwitterを見ているうちに私もツイートするようになり、いろんな方の意見を聞くようになりました。
マルチ商法に対しても、賛成派と反対派、理論に基づく考えなどたくさんの意見がありました。
このいろんな人の意見は、正しいとか間違っているとかではなく、自分で考えることの幅を広げるいい機会となりました。
マルチの世界にいる時は「こう考える(マルチ界の価値観)のが正解」と洗脳されています。
「こう考えるのが正解・・・」ということは、自分の頭で自由に考えたり感じたりすることを制限されているということです。
(自分の考え方はネガティブだから❌、マルチの考え方はポジティブだから⭕といった感じです)
なので、ネガティブに考えるのはダメなことだと、どんなことでも無理やりポジティブに考えるようにするのが癖になっていました。
Twitterやネットを見ていたら、だんだんと「こう考えてもいいんだ!」「こう思う人もいるんだ!」と、本当は自分が疑問に思っていたこと、イヤだなと感じていたことがフツフツと湧き出てきたんです。
・「マイナス思考は成功出来ない」といわれても、なんでもポジティブに考えて無理やり勸誘するのはおかしくないか?
・「即決断が成功への近道」といわれても、すぐ決めれないこともあるよね?
・「先行投資できる人が成功者」といわれても、無駄なことにお金出す必要あるのか?
・ボランティア精神で・・・というけど、タダ働きさせられてるだけじゃない?
こうやって心の奥底で思っていたことが、「なんかおかしい」「話が違うじゃん」と思ってもいいんだ!と気づいたことは、マルチ商法から抜け出すためのとても大きな収穫でした。
Twitterに書かれていた衝撃の一言
正直、最初はいろんな方の意見を見た時は驚きました。
何に驚いたかって、今まで自分が信じていたことのほとんどが非難されていたことです。
「マルチ商法を勧められた!クソっ!!」
「身内がハマってて困っている」
「マルチ商法は本当に怖い」
(えっ?私が知らないだけで、みんなこんなこと思ってるの・・・?)
衝撃すぎて言葉を失いました。
何よりもショックだったのは「マルチ商法は友達をお金に換える」という一言でした。
(なんで?いい事を教えてあげていると思っていたのは間違いだったの・・・?)
この非難の数々を受け入れるまでに相当な時間を要しましたが、受け入れられなくてもまず見る(読む)ということは、マルチ商法から脱出するためのとても大切な時間になりました。
予想以上の非難の記事を読むのはかなりキツイですが、強烈な批判ほど心に響いてくるので、1度見るだけで終わらず何度も何度も読みました。
非難されるとつい反発したくなりますが、本当は自分が1番疑問に思っていたことだったと薄っすら気づいてきます。
自分を正当化したくて反発してしまうだけだったと気づいた瞬間でもありました。
こうしてtwitterを何度も読むことで自分の信じていたことに自信がなくなり、だんだんと活動時間が少なくなっていきました。
活動をやめるためにしたこと

twitterを見て活動時間が少なくなりましたが、まだまだ半信半疑だったのですぐに活動をやめることが出来ませんでした。
『Twitterやネットで書かれていることが真実だ』と頭で理解しようとしても、なかなか心が納得してくれないからです。
なので、向き合いたくない現実から逃げずに1つづつ整理をしていきました。
まず商品について。
商品には絶対の自信がありました。
・専門の研究者が開発している商品だということ
・薬学博士や医学博士が証明しているから
・実際に商品を使って良い体験があるから
・一般では売られていない希少な商品だから
はい!すっかり洗脳されているのがわかりますね・・・笑。権威や肩書に弱いんです。
twitterでは、医療デマについてもかなり情報があります。
その情報から知ったのは、
・医学博士や薬学博士が言っているからといって、全てが真実とは限らない
・マルチ商法で聞いていた情報は「トンデモ医療」だということ
・うちのマルチ商法だけの情報だと思ったら、どこのマルチ商法でも同じことを言っている
絶対の自信があった商品の真実を知ったときは、ビックリしすぎて固まってしまいました。
経皮毒は「経皮毒」という言葉を使うのがダメなだけで、経皮吸収された化学物質は体に蓄積されてガンや病気になる・・って、本気で信じていた私は何だったんでしょう。
相手のため、大事な家族のため、世の中のため・・・と信じて活動していたことが「デマ」だと知った日から何もできなくなってしまいました。
※Twitterで参考にさせていただいた方が本を出版されています。↓
洗脳される人の大きな特徴は「思考力の低下」にある

マルチ商法にハマる人は承認欲求が強い、自己肯定感が低いというのもありますが、自分で考える能力があればそうそう簡単に騙されることはなかったはずです。
洗脳されやすいってことですね。
今はそう理解できますが、ハマっている時は洗脳されて思考力が奪われているなんて夢にも思いませんでした。
・1日何回もあるアップとのやり取り
・頻繁に行われるセミナー、お茶会などのイベント
・グループ人たちや、マルチの人たちとの関わり
毎日関わることでいつの間にか洗脳されているので、自分で考える(判断する)隙がなく、言われたとおりにやることが日常になっていました。
24時間365日洗脳されながらマルチ商法の世界にいるのでそれが当たり前になってしまい、自分の間違いに気づくことが出来ません。
だからと言って誰かに指摘されるのは、自分の選択が間違っていたと認めたくないので素直に受け入れられないんですよね。
辞めるためにどうしたらいいのかわからなかったけど、ネットで「マルチ商法」と検索してみたことが、その後の人生を変え自分で考えるきっかけになったので良かったと思っています。
辞めるのが怖かった本当の理由
「マルチ商法をやめたい」という答えは出ているんです。
でも、洗脳の威力は自分が思っているよりも恐ろしく、なかなか離れてくれません。
そして1番苦しかったのは、以下の理由から誰にも相談できないことでした。
・あんなに反対されたのに押し切ってマルチ商法に没頭してしまったこと
・批判する友人をこちらから避けてしまったこと
・本当はお金なんて残ってないのに、儲かっているように見せていたこと
・幸せ、成功、人生変わったと言っていた手前、今更違うなんて言えないこと
ここまでくると滑稽ですよね・・・。
マルチ商法を辞めたらどうなるんだろうと思っていた恐怖は、収入がなくなるとか仲間がいなくなるということよりも、今までの間違いを自分で認めることと、周りの人に許してもらえない不安があったからです。
1番怖かったのは、
「間違った自分(マルチ商法をやってしまった自分)を受け入れてもらえないこと」でした。
でも、もう活動を続けることは出来ない。
とても葛藤しましたが、この先の人生はまっとうに生きたいと思い、夫に思い切って打ち明けました。
夫の意外な反応
「マルチ商法を辞めたい」
そう言った私に、「・・・・わかったよ。」と言っただけの夫。
責められる!バカにされる!と思っていたので、夫の答えにビックリしました。
本当は、いろいろと言いたかったと思います。
「ほらみろ!だから言っただろう!」
「やっとわかったか!」
なんて言われていたら、今はなかったかもしれません。
夫に本心を打ち明けられたことで気持ちが軽くなり、そこからは辞めるために行動を起こせるようになりました。
黙っていてくれた夫には感謝しかありません。
さいごに

情報も自分の気持ちも、まずは真実を知ることが大切だと身にしみて感じています。
Twitterやネットの情報が全て正しいとは言い切れませんが、何が自分にとって真実なのかを見極めるのにとても役立つと思うようになりました。
1つの情報を盲信するのはとっても危険なので、いいことを言われている理由、悪いことを言われている理由の両方を知って自分で判断できるようになりたいですね。
真実は耳が痛いし、受け入れられないことがたくさんあります。
でも、すぐに受け入れなくてもいいから「知る」ということは、本当の幸せに近づくはじめの一歩だと思っています。