ネットワークビジネス(マルチ商法)を辞める少し前に、すっかり落とし穴にハマっていたと実感したことがありました。
ネットワークビジネスは「WIN&WIN」だなんていいことをいいますがとんでもない!!
マルチ会員は「会社にとって都合がいい労働者」でしかありませんでした。
ネットワークビジネス(マルチ商法)では、「会社員は時間もお金も自由にならない」と否定して、「経営者(社長)になって時間もお金も自由になろう」と誘います。
確かに会社員は、就労時間や休みが決まっているので、自分の好きな時間に仕事をすることは出来ないし、お給料も決まっているので自分の欲しい金額をもらえません。
だから、
自分の好きな時間に仕事をして欲しい金額を稼せいで、みんなで成功者になろう!
と言うのですが、契約(会員登録)のときには気づかなかった「会社との契約の落とし穴」がありました。
この記事では、社長(経営者)になれる!と謳っているけど、実態は会社にとって都合のいい労働者でしかないという理由をお伝えします。
マルチ商法の会社との契約について
勧誘時に「あなたも社長になれるよ!」といいますが、マルチ商法の会社の経営者になれるわけではありません。
マルチ会員は会社と雇用契約を結ぶのではなく、会社の商品を個人で仕入れて販売する「個人事業主」として会員登録をしています。
この「個人事業主」でビジネス活動することを「社長になれる」といっているだけなのです。
経営者・社長とはどんな位置づけなのか見てみます。
経営者(けいえいしゃは)組織の経営について責任を持つ者のことである
社長(しゃちょう)とは会社や社団などにおける最高責任者の呼称
マルチ会員は、システム(ビジネスプログラム)、商材、価格、やり方等は自由にきめられません。
落とし穴その1
個人事業主で契約するのはどのような問題があるのかというと
・特商法違反や薬機法違反などでトラブルが起きても、社員ではないため会社は責任をとってくれない
・責任を取らないどころか、あくまでも個人のトラブルとして会社から契約解除(会員登録解除)されることがある
・トラブルの内容によっては、会社から損害賠償請求や報酬の返還を求められることがある
会員の規約があるので、いつでも会社に権限があり会社から「退会処分」と言われたらそれでおしまい。
どんなに頑張ってタイトルを獲得しても、マルチ会社に「お前はいらない」と言われたら全てを失います。
会社員を「会社に自分の人生を預けていいのか!」と否定しますが、会社を辞めたり解雇されたりすれば何かしらの社会的な保障があります。
しかしネットワークビジネスは社会保障もなく、トラブルが起きて訴えられても会社は何もしてくれないということです。
落とし穴その2
▶会社側のメリット◀
・人件費がかからない
・広告宣伝費がかからない
・販売員はたくさん購入するいいお客さん
マルチ会員は個人事業なので、ビジネス活動するためにかかる経費はすべて自己負担です。
会社から見れば、マルチ会員は個人事業主として活動しているので人件費がかからず、商品を購入して口コミで商品を広げてくれるので広告宣伝費もかかりません。
商品を広げるだけでなく口コミをしてくれる人まで増やしてくれるので、会社にとって一石二鳥ですよね。
会社側は、売上に応じた報酬だけを支払えばいいのでメリットしかありません。
都合のいい労働者でしかない
会社側にとってビジネス会員は、最も都合よく使えるよく働く労働者です。
甘い言葉でその気にさせ、すごい!と褒めてヤル気にさせ、仲間と一緒に頑張ろう!と競争させる。
夢が叶う!
世の中に貢献する!
人のために働くのは素晴らしい!
自由を手に入れる!
特別な人生を生きる!
と叫び、純粋な人たちを「都合のいい労働者」にしてしまうネットワークビジネスは、本当に夢物語だと実感しています。
しかし一度ハマってしまうと、こんな簡単なことですら冷静に考えられなくなってしまうのです。
ハマっている人たちの言い分
ハマっている人たちにこの真実を伝えると、
「経営者マインドでやるって意味だ」と問題点を直視することができません。
そして、
・会社経営してもすぐに繁盛するわけではないから、3年は赤字になるのも珍しくないが、マルチ商法は赤字にならない
・会社経営は初期投資にお金がかかるが、マルチ商法は初期投資はいらない
・ノーリスク、ハイリターン
・素晴らしい商品を扱える
・シムテムを1から考えなくても用意してくれている
・1人で頑張らなくていい
・仲間と支え合ってみんなで成功できる
・会社にずっといる必要がなく、どこにいても売り上げが上がる
・自分だけにメリットがあるわけではなく、相手にもメリットがある
だからこの会社(マルチ商法)は素晴らしい!と問題がすり替えられていきます。
セミナーやイベントに参加するたび、小さな小さな世界に押し込まれていくから、それが真実だと正当化してそれを信じるしかないんですよね。
さいごに
ネットワークビジネスにハマっている時は、現実に向き合うことはできません。
ハマっていた頃は周囲の声に全く耳を貸しませんでしたが、だんだんと真実が見えるようになりようやく目が覚めて実感しています。
楽して金儲けをしたいという下心があり、右向け右!と言われれば喜んで右を向いていた自分を、とても恥ずかしく思います。
うまい話を鵜呑みにせず、冷静に判断できるようになりたいですね。
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