ネットワークビジネスを辞めた理由とやめるためにしたこと

体験談

10年以上マルチ商法(ネットワークビジネス)の活動をしてきたので、辞めたいと思っていてもなかなか辞めることができませんでした。

辞めることへの恐怖感、罪悪感、いろんな感情が入り乱れて自分のほんとうの気持ちがわからない…。

なぜこんなに恐怖を感じるのか、何に罪悪感があるのか、考えても考えても答えが出ませんでした。

アップやグループの人たちからの執拗な圧力があることもわかっていたので、「辞める」という行動に移すためには「覚悟」が必要でした。

といっても何をどう覚悟すればいいのかわからず、思いついたことを1つずつやっていった結果やめることができました。

この記事では、私がマルチ商法を辞めた理由と、実際にやめるまでにやったことをお伝えします。

大切な人がマルチ商法にハマって、辞めさせたいと思っている方の参考にもなったら嬉しいです。

※あくまでも私個人の体験です!

スポンサーリンク

ネットワークビジネスをやめた理由

「もうマルチ商法はやめた方がいいかも… 」と思ったきっかけは、

「お母さんは、お仕事何してるの?」と聞かれた時の子供たちの反応でした。

一瞬困った顔になり、「体にいいもの…ってゆうか、なんか…自然の物ってゆうか…。」とシドロモドロ。

化粧品を売ってると言うわけでもなく、仕事内容を言いたくないともとれる、なんとも歯切れの悪い答え方でした。

 この光景を見た時に、子どもたちは

「お母さんは、人に言えない仕事をしている」と思っているのだと感じたのです。

 確かに「マルチ商法をやってます!」なんて言えませんからね。

「人に言えない仕事って…。私はいったい何をやってるんだろう…。」と子供たちに申し訳ない気持ちと同時に、信じていることへの疑いが出てきました。

やめるためにしたこと


子供たちの様子にショックを受けてから時間があるときに少しずつですが、あらためて「マルチ商法」について調べてみました。

マルチ商法の中にいる人達は歪んだ小さな世界の中で生きていて、その世界だけが真実と信じてやまないので、まずは外の世界をのぞいてみることからやってみました。

 

ネットで検索したりTwitterを見てみると、出てくる内容は悪いことばかり。

被害に合った方や家族の悲痛な声、勧誘されて嫌な思いをした方の痛烈な批判。

ただただ、嫌な気分にしかなりませんでした。

最初のうちは「これはマルチ商法は悪くない」とか「このパターンはやめた人の妬みだ」と、素直に受け入れることが出来ません。

でも、同じような口コミや記事をたくさん読んでいくうちに、「もしかしたら、悪く思っている人が自分の周りにもいるかもしれない」と思うようになっていきました。

この時はまだ自分の非を認めることは出来ませんでしたが、「~~かもしれない」と考えられるようになったので、マルチ商法やアップたちに疑問を持つようになり始めました。

 どの部分に洗脳されているのかを知る

マルチ商法の人たちは洗脳されているとよく言われますが、その世界の中にどっぷりハマっているとどの部分が洗脳されているのか見当がつきません。

なのでまず、世の中で言われていること自分が信じていることの違いを知ることにしました。

※世の中で言われていること→太字
 自分が信じていること→細字

マルチ商法は悪徳である → マルチ商法は合法で世界一のビジネス

お金が稼げない → 上の人はたくさん稼いでいる

友達を喰いものにしている → 友達のために教えてあげている

上だけが儲かるシステム → みんな平等なシステム (世の中が不平等)

口コミは体験者の真実 → 口コミはうまくいかなかった人の妬み、ヒガミ、トイレの落書と同じ

どこにでもある商品 → 市販品は有害、うちのマルチ商品は世界一

人間関係が壊れる → 自分に必要な人間関係だけが残る(上辺じゃない関係)

借金を抱える → 借金じゃなく先行投資

社会的にマルチは問題がたくさんある → 知らない人が誤解をしているだけ

よく聞く代表的なことはこんな感じですが、ここまで真逆のことを言っていると何からどうすればいいのか正直わかりませんでした。

なので、この認識の違いを「世間が間違っている!」とジャッジせず、なぜ違うのか疑問を持ってみることにしました。

もちろんすぐに答えは見つかりません。

でも、なんでだろう?と意識を向けていると違和感を感じるようになり、『自分の信じていることが間違ってるかもしれない』と非を認められるようになっていったのです。

後にこの違和感が入口になって、だんだんと洗脳されている部分が見えるようになっていきました。

収支のバランスを見る

家計費と同じで、入ってくる報酬出ていく活動費を目で見て分かるように書き出しました。

活動費は成功するために必要なお金と思っていましたが、どこか引っかかっている部分もありましたし、毎月どのくらい活動費を使っているのか把握してなかったので、現実に目を向けるためには絶対に必要でした。

お金の感覚がマヒしていますから。

毎月かかる活動費は?

・交通費(駐車場代含む)
・通信費
・食事代
・セミナーやイベントなどの参加費
・新しい人脈を作るための交際費
・ランク維持のための商品代
・サンプルやランチ会など、勧誘時に使う商品代や費用
・稼いでいるように見せるための、洋服、バッグ、靴、装飾品代
・高級感を演出するための費用(家賃、車、時計、ハイブランド品)
・タイムリッチと思わせるためのパーティやBBQ、海外旅行などのイベント費用
・セミナーや講演会などの開催費

ザッと書き出しただけでもこんなにあります。

毎月入っている報酬(収入)は?

毎月の活動費(金額)を書き出したあとは、実際にもらっている報酬との比較をします。

・いくら報酬が必要なのか

・その報酬をもらうためには、どれだけの人数と売上げが必要なのか

・その人数と売上げにするには、どれだけの行動量が必要なのか

・その報酬をもらうためには、どのくらいの期間がかかるのか

例えば・・・

活動費が毎月10万円だったとしたら、毎月10万円以上の報酬がなければいけませんよね。

仮に毎月の報酬が20万円あったとすると、10万円の収入になります。
(報酬20万円-活動費10万円=収入10万円)

じゃあ毎月20万円報酬をもらうためには、何人の人が新規登録して、どれだけの売上(リピート購入を含)が必要か…と考えていくのです。

細かく計算していくと、月収100万円どころか月収20万円にするのも無理があることが見えてきます。

現実を直視することで、いつまで頑張ればいいのか?と不安と脱力感でいっぱいになり、だんだんとヤル気が失われていきました。

何を叶えたいのか知ること

「夢を叶えよう!!」と頑張ってきたけど、なぜマルチ商法をやろうと思ったのかもう一度自分と向き合って考えてみました。

・本当に月収100万円が欲しいのか?

・本当に贅沢な生活がしたいのか?

・本当はどんな人生にしたいのか?

・本当に幸せ?

自分に向き合うといっても、実は洗脳が邪魔してなかなか本心が見えてきませんでした

セミナーで聞いたことやアップが正しいと思い込まされている間に、自分がやりたいこと、本当に望んでいることがわからなくなっていたんです。

これではいけない!!と思ったので、マルチ商法で言われている「幸せ」や「成功」と真逆のことを敢えてやってみることにしました。 

例えば・・・

即行動する → よく考えてから行動する

高級なものを持つ → プチプラにする

成功者のマネをする → マルチ以外の人のマネをする

ポジティブに考える → ネガティブに考える

目標を持つ → なんとなく過ごす

 とても些細なことですが、自分を取り戻すために必要なことでした。

さいごに

・Twitterやネットで検索

・収支を把握する

・自分に問いかける

・行動パターンを変える

この4つのことを、辞めると決心できるようになるまで1年間続けました。

私は10年以上、マルチ商法は正義だと信じてきました。

人のため、社会のために活動していると思っていました。

マルチ商法が嫌われるのは誤解されているだけだと本気で思っていました。

真実を知らない人たちに、この情報を伝えてあげるのが自分の使命だと思っていました。

大切な人たちと共に幸せになりたいと心から思っていました。

でも、これらはすべて幻想でした。

マルチ商法にハマってしまうと、どんなに熱心に辞めるよう説得されても、どれだけ真実を突きつけられても、自分で気づかないと変われません。

いきなり洗脳が解けることはありませんが少しづつでも真実に向き合えるようになったら、マルチ商法をやめる日が必ずきますよ!

タイトルとURLをコピーしました