ネットワークビジネスを10年以上続けて、辞めた後に思うこと

体験談

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「なぜあの時、もっと調べることをしなかったのか」
「悪い噂しかないビジネスなのに、なぜ誤解していたと思ってしまったのか」
「家計が火の車になった時点で、なぜやめられなかったのか」

マルチ商法(ネットワークビジネス)をやめてから、悔やんでも悔やみきれないことがたくさんあります。

今さら落ち込んでも仕方ないとわかっていても、後悔と罪悪感に苛まれる日々。

「人生を変えよう!!」と本気でマルチ商法に取り組んだ結果、違う意味で人生が変わってしまいました。

この記事では、なぜマルチ商法に10年以上もハマってしまったのか、活動をやめてから何を思っているのかについてお話したいと思います。

マルチ商法にハマって苦しい思いをする人が1人でも減ることを願って。

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信じていたトンデモ医療(ニセ科学)

「自然派◯◯」「民間療法」「代替療法」「◯◯健康法」等、健康に関する情報は巷にたくさん溢れています。

マルチ商法でも、

・市販で売られているもの、薬は全て毒!(正確には、ハマっていたマルチ会社の物以外は全部ダメってこと)

・化学物質が経皮吸収されて体に蓄積するから病気の元になっている

・体に入った毒をデトックスすれば大丈夫

・抗がん剤で命が縮まる

・日用品に含まれている化学物質でアレルギーやガンになる

・薬は症状を抑えるだけで、根本的な治療にならない

・1つの物に入っている化学物質が少なくても、1日トータルで見れば恐ろしい量の化学物質が体の中に入っている

・ワクチンは必要ない

※「だから安全なうち(マルチ会社)の商品を使いましょう!」となっていきます。

根拠のない情報を、古い新聞や雑誌、医学博士や研究員、大学教授など医療関係の方の著書などを見せられたり、「医師」「薬学博士」「研究者」と言われる人たちの健康セミナーで聞いたりしていました。

なぜトンデモ医療(ニセ科学)を信じたのか?

医学のことなんて凡人の私には未知の世界で、どれが本当のことなのか知る術がありません。

健康セミナーの講師や著者が本当に権威があるのか、医療業界でどれだけの地位なのかわかりませんが、医学に携わる人の話なのでまったく疑う余地がありませんでした。

自分は疑い深いと思っていましたが、医師が言うこと、新聞や本に、まさか嘘はないだろうという考えもあって、すっかり信じ込んでしまいました。


当時はまだ子供が小さく、家族の健康を守りたいという思いもありましたし、知らないことばかりだったので、世の中の情報に惑わされないように知識を得たつもりでいました。


何度も健康セミナーを聞くうちに恐怖心を持ち

「家族に危険な物を使わせられないね!」
と言われて

「ダメな母親と言われないようにしなきゃ
と思ったのもあります。

マルチ商品を使わないと家族みんなが病気になっちゃう!という恐怖心から、気がつけば毎月20万円も商品代につぎ込むようになってしまいました。

トンデモ医療(ニセ科学)だと知ってから

マルチ商法で聞いた情報がデマだったとわかったときの喪失感は半端ありませんでした。

でも本当は、よく考えてみればわかることたくさんありました。

マルチの商品を使っていても、ガンになる人だっているし病気にだってなります。

どれだけマルチの商品を使っても、肌がキレイにならない人や逆にひどくなってしまう人もたくさん見てきました。


癌になったり肌トラブルになる人は

「使う量が足らないだけ」
「全商品使っていないから」

と言われます。

本当にそうなんだろうかと疑問に思いながら、商品や会社を疑うことは悪いことと認識していたので、それ以上追及できませんでした。

トップリーダーや会員の家族が癌で亡くなっていたことは上位のリーダーしか知らず、末端会員には知らされていません。

ガンが治ると言っている手前、事実を言えるわけないですよね。

よくよく考えてみれば、どんなガンでも治ってしまうサプリが本当にあるなら、病院で薬として処方してくれるはずです。

それに、本当に市販品がそんなに危険なものなら、医療関係者はもちろん、みんな市販品を使っていないはずです。

いやその前に、病気に直結してるほど危険なものなら販売されていないと思います。


医学部では成分と身体の関係の授業が少ないから、経皮毒を知らない医師もいる』

と言っていたアップもいましたが、そのアップは医学部ではありませんから信憑性もありません。


こんなとんでもない情報でも、毎日毎日繰り返し聞いているうちに本当の話になってしまうのです。


ニセ科学だと知った今思うのは、セミナー講師や研究者と言っていた人たちは、

独自の研究結果や意見が医療業界で取り合ってもらえず、素人相手に知識をひけらかしたくなった
嘘ではないかもしれないけど、証拠もないというレベル


ではないかと思っています。

お金の価値観が狂うだけの世界

・ハイブランドの物

・高級外車

・派手なライフスタイル

マルチ商法の人達は、みんなお金を稼いでいるように見えると思います。

セミナー会場の駐車場は、高級外車の展示場かと思うほどでした。

ホテルで食事したり、きれいなドレスを着て表彰台に登ったり、海外旅行に行ったり。

BBQやランチ会など「遊んでるように見えるけど、これも仕事なんだよ~♫」と言いながら毎日楽しそうに過ごしているマルチの人たちは、普通の主婦では考えられないライフスタイルだったため、とても驚いたのと同時に羨ましく思っていました。

ある程度のタイトルになると、

「夢子ちゃん!上位のタイトルを目指すのなら、みんなに魅せる(見せる)ためにライフスタイルを変えないとね!」

と、お金を稼いでいるように見せるための演出が大事とアップから言われるようになってきます。

「お金が稼げる」「夢を叶える」と言っているんだから、お金を稼いでいる証拠を見せていくということ。ボロボロの軽自動車や、誰でも買えるような価格のものでは夢がないってことですね。

「このタイトルだと、これくらいの収入になります!」と言ってる手前、上位会員はお財布事情が苦しいのに「お金がない」とは言えず見栄張り合戦のようになっていました。

なぜお金が稼げると思ったのか?

とても単純な理由ですが、上位のアップが「theお金持ち!!」というスタイルだったからです。

それに、周りの人たちがどんどんランクアップしていったり、持っているものが高級になっていくのを見て「本当にお金が稼げるんだ!」と思ってしまいました。

最初は全くお金が稼げないけど、自分と同じような格好をしていた人たちが「今は稼げるようになったよ」と言って、スーツを着たり、ブランド品を買ったりしているのを見ていると疑わなくなっていくんです。

「自分は頑張りが足らないんだ」

そう思うだけで、お金が稼げないとは疑わなくなっていきました。

お金が残らない現実を知ってから

「ウン十万円もするバッグや時計を何個も買えるほどの収入なんてないのに!」

そう思いながらも、稼いでいるように(お金があるように)見せることを辞められませんでした。

でも実際には、毎月自転車操業でお金が苦しい生活です。

「お金を稼いでいるように見せるため」に必死なのと、活動費がかなりかかるのでほとんどの人はお金が残っていないと思います。

本当にお金に余裕があるのはトップの人達だけ!!!

いつまで経ってもお金に余裕ができないから、疲れ果ててしまいます。

ハイブランドのバッグを買って、しばらくしたらそのバッグを売って、また新しく買う…ということをしている人もいました。

でも、そんな人たちを笑えないんです。気持ちがわかるから。


「お金を稼いでいるように見せる」ことばかり意識していたので、

なんのためにお金を稼ぐのか
本当は何が欲しいのか
自分がどうしたいのか


わからなくなっていました。


私のような人はきっと思っている以上にたくさんいると思います。


よく考えてみれば、夢がみんな同じで「高級ブランドの物を買うこと」「高級外車に乗ること」「海外旅行に行くこと」「タワマンに住むこと」しかないなんて、夢がなさすぎますよね。

よく夢リストを100個書かされましたが、何を書いたか忘れてしまいました。

マルチ商法をやめてすぐに、稼いでるように見せるために買った物たちはすべて換金してしまいました。

・無名のメーカーのものを身につけることが出来ず(稼げていないのがバレるから)

・同じものをずっと持ってるわけにもいかず(お金がないのがバレるから)

・お酒を飲みに行くのも、セミナーも、海外旅行も行けないなんて断ることが出来ず(お金がないのがバレるから)

ずっと、成功者のふりをしてきました。


いつの間にか金銭感覚がマヒして、虚像で固めた「稼いでいる自分」を演じることに疲れてしまい、どれが本当の自分なのかわからなくなっていました。

ほんとうの自由と楽しさを知ったとき

マルチ商法を辞める前のことですが、マルチ商法の仲間が一人もいないコミュニティに参加したことがありました。

私がマルチ商法をしていることも知らない人たちです。


マルチ商法をやめた方がいいんじゃないか」と思い始めた頃だったので、勧誘するつもりもサラサラありませんでした。

マルチ商法が関わらない世界は、

勧誘のことを考えて話さなくていい
夢の話を無理に振らなくてもいい
自分をスゴイ人に見せなくてもいい

素の私でいいという空間はとても心地よく、心から笑っている自分がいました。

すごく楽!!


今まで何のために頑張ってきたのか、何を目指していたのかとバカバカしく思えてしまいました。

何もないことがこんなにも楽しいなんて!!!


タワマンに住みたいという夢の話なんてしません。

飲んでいるのはホテルのコーヒーじゃなく缶コーヒーです。

身につけているものはハイブランドではなく、ファストファッションです。

乗っている車は、高級外車ではありません。

お金持ちからは程遠いシチュエーションなのに、すごく楽しい!!!!

自分を偽らなくてもいい空間が、とても幸せに感じました。


どっぷりハマっているときは、どこにいても何をしてても『勧誘する』ことに支配されていたので、「この人勧誘できそうかな?」「どうやって勧誘しようかな?」と思っていました。

あなた達と私は違うのよ!という選民意識から、どこにいてもお金を持っているように見せていました。

そんな自分がすごくちっぽけで惨めに感じて嫌になったのと、『勧誘する』ことから自由になった解放感は今でも忘れません。

さいごに

成功とは
幸せとは

だれかの定義で幸せや成功を図るものではないし、自分の人生が変わることはありません。

マルチ商法で夢が叶うとか、人生が変わるなんてただの夢物語です。


後悔と罪悪感しか残らないマルチ商法は洗脳ビジネスでしかなく、自分も周りの人も幸せにすることは出来ません。

気づくのが遅くて10年以上もマルチ商法にハマってしまったけど、自分と向き合って真実を受け入れた今は、時間もお金も人間関係も自由になって、誰にも支配されない自分の人生を生きています。


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